ラオス・クアンシーの滝。あの先にはどんな光景があったのだろうか
長いことあちこちを旅行していると、行ってみたい場所があったのに時間が無くて行けなかった、なんていうことも起きてしまいます。見たいところ・ものは全部見ておきたいのですがなかなか難しい。
ラオスのルアン・パバンは世界中から人が集まる世界遺産の町。多くの人が集まるのでそれなりに賑やかな場所なのですが、早朝にはお坊さんの托鉢があったりして不意に厳かな面を覗かせることもある町です。
私はこの町の雰囲気が大好きなんですよねー。のんびりにぎやか時々厳か。観光地観光地した鬱陶しすぎる客引きなどが少ないのもいい。
このルアン・パバンの郊外にクアンシーの滝(Kuang Xi)という有名な滝があります。雨季だと水量も多くなり、滝もなかなか壮観な光景になります。滝を見物する他にも滝つぼに入って泳いだりもできるのでピクニックにもいい場所です。
私はルアン・パバンの町から自転車に乗ってこのクアンシーの滝を目指しました。自転車はレンタルしたものです。
往復で10時間掛かるとか聞いていて、話半分かと思いきや本当に10時間近くかかって疲れました。登り坂がきっつい。トゥクトゥクとかなら片道1時間程度で着くらしいです……。
自転車を走らせるのは明るいうちはいいんですが、暗くなるとけっこう怖いんですよね。穴ポコとか開いているのが見えなくなるし……。ま、楽しかったんですけどね!
このクアンシーの滝の裏手には登りの山道があって、上へ上へと道が続いています。もしかしたら開けた場所から素晴らしい景色が拝めたりするのかなと思い、登っていってみました。
私が訪れたのは8月の雨季だったということもあり、道はぬかるんで水浸し状態。歩きにくい。時々膝くらいまで水に浸かってしまう。靴と靴下を脱いでジャブジャブと歩きますが、木片とかあったら危ない。けっこう危険。
山道には私以外には人は他に誰もいません。すぐに一番上までたどり着くかと思いきや意外に時間がかかる。帰りも自転車だし段々と不安になってきます。外国ですからねここ。地図や装備も無いし。
引き返そうかどうしようか悩みつつもしばらく歩いていると、少し開けた場所に出ました。ちょっとした湿地帯のような緑に囲まれた場所。乾季ならまた違う景色なんでしょうね。
写真にうつっている可愛くも強そうな牛は、その場所で出会った牛です。ひょいと草むらから顔を出してきました。写真ではわかりにくいですが、確かカウベルも付いていたんですよね。ということは、近くに人がいる可能性も高い?
そう考えたのですが、付近に人は見つからず、人家も無い。地図もないし看板や目印もない。この小さな湿地帯の先にもまだ道は続いていたようなのですが、どちらの方向に進めばよいかも分からない。
帰りの時間のこともあるし、そこで諦めて下って戻りました。
あのとき戻った判断は間違っていなかったと思います。ルアンパバンのホテルに戻ったときにはもう辺りは暗くなっていましたから。夜8時近かったはず。あそこでさらに1時間2時間と時間を費やしているとちょっと危なかったかもしれない。
でも今でもたまに思うんですよ。あの湿地帯を抜けた先にはどんな光景があったのかなあって。感動するような景色とか見れたんじゃないかなあって。
ま、実際は特にたいしたものはなかった可能性が大きいんですけどね。「なぁんだこんなもんか」みたいな。凄いものがあるなら私の耳にも入っていただろうし。
こういう「あの向こうにはどんな光景があるんだろうか?」って好奇心が私が旅行する原点なのかなあとかこの文章を書いていて思いました。
人に聞いた話とかでは満足できず、なんでも自分の眼で確かめたい性分なんです。
でも、こういうのは私だけでなく誰だって持ってる気持ですよね、きっと。