モンゴルでカメラを壊した。頑丈なデジカメを持ち歩くようになった
2001年の冬、20歳になった時から海外旅行を始めた。一番最初に訪れた国が中国で、同じ年の夏に二番目に訪れた国がモンゴルだった。
当時はちょうどJ-PHONEの写メールが話題になっていて、カメラ付き携帯電話が普及し始めた頃だ。とはいえ今のiphoneカメラのような高画質は望めず、海外旅行に行くならちゃんとしたカメラを持って行くのが常識だった。
デジカメも普及し始めていたのだが、まだまだ高価。旅行の費用だけでいっぱいいっぱいだった私は、親が持っていたオリンパスのフィルムカメラを借りてモンゴルに行った。そして壊した。
この写真は壊れる前のカメラで撮ったものだ。写真に映っている砂地で手が滑り、カメラを砂の上に落としてしまった。そして、あっさりと壊れた。
あれほど呆気なく壊れてしまうとは思ってもみなかった。カメラっていうのは精密機械なんだなと、その時はじめて実感した。ほんのちょっと手を滑らしただけなのに……。
その後、首都ウランバートルの国立デパート(『デパート』というよりスーパーのような所だったが)で、まったく知らないメーカーの極端に安いカメラを買った。日本円で2,000円もしなかったと思う。日本製のカメラも売っていたのだが、とても手が出る値段ではなかったのだ。
日本に帰ってフィルムを現像してみると、案の定と言うべきか、激安カメラはまともに映してはくれていなかった。
この写真のように、すべてが超ピンボケ写真になっていた。もしかするとカメラと写真の知識がある人だったら、調節してマトモな写真が撮れていたのかもしれない。私は全くのド素人なので、テキトーに撮っていた。そうしたらこのザマだ。せっかくのモンゴルだったのに……。
モンゴルでの悲劇をくりかえさないために、その次の海外旅行からは頑丈なデジカメを持っていった。カシオの『GV-20』だ。
防水、防塵、耐衝撃というタフな性能を持ったカメラ『GV-10』の後継機で、こういうタフでコンパクトなカメラは当時はカシオしか出していなかったように思う。
電池・付属品なしでは250gとそこまで重くはないのだが、単3電池を4本使用するので全部合わせるとなかなかずっしり重くなっていたのを覚えている。
見た目が不恰好になりつつも何とかポケットにも入る大きさで、写真を撮りたいと思ったらすぐ取り出して撮ることができた。
手荒に扱っても全く壊れることもなく、旅行の友として長らく役に立ってくれた。
残念ながら後継機のGV-30は発売されず、その後は色んなメーカーの頑丈カメラを使い歩いた。パナソニック、ペンタックス、オリンパス……。
パナソニックのDMC-FTシリーズは、FT5で終わってしまった。結構好きだったのに。ペンタックスはいつのまにやらリコーになっていた。でもPENTAXブランドでWGシリーズ出してくれていて嬉しい。オリンパスは粉飾決算が記憶に残るが、タフネスデジカメの新作は今でも出ている。ありがたい。
私は使用したことがないのだが、現在はキヤノン、富士フイルム、ニコンもアウトドア用カメラを出してくれているようだ。選択肢が増えているのは素直に嬉しい。
スマホのカメラが発達したせいで、コンパクトデジカメ市場はどんどん縮小しているというが、アウトドア用デジカメはいつまでも無くならないで欲しい。こればかりはスマホでは代わりにならないものだから。
……と思っていたけど、最近は防水・防塵・対衝撃のスマホもけっこうあるんだな。URBANO V03とか。
さすがにデジカメに比べると頑丈さでは劣るだろうけど、いずれはスマホがデジカメを越えて超頑丈になってしまったりするのだろうか。
スマホの構造を考えると難しいか。でも分からないよなあ。フィルムカメラが(ほぼ)絶滅してしまうだなんて、20年前には誰も想像できなかっただろうし、技術の進歩は末恐ろしい。将来どんな風になっているかなんて、誰にだって予想できないよ。