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たびずき! ブログ 海外旅行の体験談

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たびずき!海外旅行おすすめランキング【実際に行った国だけ】(http://countryranking.net/)管理人のブログ

選択肢がある幸せ。カンボジアの青年のこと。後悔のない人生を!って陳腐だけど本当

カンボジア アンコール遺跡群

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写真はカンボジア、アンコール遺跡群のプレ・ループ付近。

 

プレ・ループはアンコール遺跡群の中でも1,2を争うサンセット見学ポイントです。広がる森林とアンコール一帯をバックに美しい夕焼けが眺められます。ツアーなどでも定番のポイントになっているみたいですね。

 

前回の記事でも書いたように私は自転車でアンコール一帯を回っており、このプレ・ループにも自転車でたどり着きました。

ここで夕焼けを見てそれから自転車でシェムリアップに戻ろうとすると、どうしても薄暗い中を走っていくハメになります。危険度高め。いや、ホントにけっこう怖いですよ。薄暗いと道も分かりにくいし迷いやすいので。もし自転車で行く人がいたらご注意を。

 

さて、話が少し逸れました。写真に映っているのはプレ・ループ付近の商店兼食堂で働いている人たちで、この一番右に映っている青年のことがすっごく印象に残っているんです。

この辺りには何軒か似たような商店兼食堂が並んでいて、私は隣の食堂で野菜焼き飯(fried rice with vegitable, 2$)を食べていました。あんまり美味しくなかった……。

 

食べ終えて休んでいるとこの青年がからんできたんです。なぜか日本語を少し知っていて、「ちんちん、おおきい、ぐっど!」とかいきなり日本語で言われて吹き出してしまいました。

小さい子にもそれを教えていたみたいで「ちんちん!ちんちん!」と幼子が意味もわからず叫んでいました。ちんちんって確かに発音しやすいもんな~。いやいや、教育に悪いからそんな日本語教えないで!

 

また話が逸れた。そんなふざけた彼ですが、「飲み物どう?」「フルーツおいしいぜ!ココナッツ最高!」「ビール美味いぞ~」と売り込んできます。商売商売。生活のかかった仕事です。

こういう売込みってふつうは鬱陶しく感じることが多いのですが、この青年の場合は何故か鬱陶しさを感じさせません。サバサバしていて爽やかだからだろうか? 不快感を感じさせないのが凄いなあと思いましたね。

なんてことない話でも身振りや手振りの豊かな表現力で面白く聞かせてくれて、めっちゃ頭のいい子だなあと感心していました。買う気がないと分かったら態度を豹変させる売り子も多いけど、この青年はそういうのがなかったのもいい。

プレ・ループの階段を登って見晴らしのよいサンセットポイントに行った時も、ビールを何本も持ち運んで登ってきていました。そりゃあこの夕焼け見ながらビールを飲むのは気持いいでしょう。売れやすいはず。頭いい! 急な階段だったので結構大変だと思うのだけれど慣れているんでしょうね。

 

この青年と話した会話はすべて英語です。英語学校に通った経験……いやそもそも学校とかで英語を習った経験もないんじゃないかなこの子は? 

それでも当時の私よりは遥かに流暢で実用的な英語を話していました。綺麗でちゃんとした英語ではないのかもしれないけれど、白人さんたちともごく自然に意思疎通ができていて実用上はまったく問題ないように見えた。

頭の回転が速くて話も面白い。よく働いていて勤勉。こんな将来有望な青年がポロっとこぼしていたことがとても印象に残っています。

 

なんてことないことなんですが、「日本とか外国行ってみたいなあ」といった意味のことだったと思います。

 

これって日本人が「外国行ってみたいなあ」っていうのとは全然違います。日本人なら外国へ行くのはカンタンです。本気で行こうと思えば本当にカンタン。高校生、いやヘタをすれば中学生だって、アルバイトでちょっとお金を貯めれば行くことができます。

お隣の韓国なんかだったら1万円以下のツアーがあったりしますからね。10万くらいあれば東南アジアなら大抵どこへでも行ける。さすがにヨーロッパとかだと20万円以上はかかるでしょうが……。

しかし一般的なカンボジア人にとっては外国に行くのはもう不可能といっていいほど難しいでしょう(一部のお金持ちは除きます)。

 

まず日本のようにはパスポートが強くないのでどの国に行くにもビザが必要になってくる。そしてビザやパスポートを取得するにはお金が必要。加えて渡航にかかる交通費、滞在費、食費など膨大なお金がかかります。

外務省のデータによれば、2015年のカンボジアの一人当たりGDPは1,140米ドルです。

大体12万円くらい。一部のお金持ちが引き上げているだけで一般の庶民は5万円もないんじゃないかって気もしますが。

このGDPはあくまで目安ですが、たとえば一年で10万円の収入があるとすると、一ヶ月あたり8333円です。ここから生活に必要なお金を引いていくと、いくら物価が安い国とはいえそれほど多くは残らないでしょう。

カンボジアから日本に旅行するとすれば、飛行機代やら何やらで10万円は欲しいところ。日本の物価を考えると10万円でも相当キツイが。

 

年間の総収入が10万円の状態で10万円を貯金するのって、相当難しいんじゃないかな。

しかも留学(もっとお金がかかる)や出稼ぎ(ワーキングパーミッションが取得できるのなら)ならまだしも、ただの観光、外国を見てみたいからといった理由で外国に行くなんて、周りの誰も理解してくれないでしょう。生きていくだけでも大変なのに。

隣国のタイやベトナムならまだ可能性はありそうですけどね……。

 

つまり彼が「日本とか外国行ってみたいなあ」と思っても、実際に外国へ行くっていうのは宝くじに当たるような幸運にでも恵まれない限りは不可能なんですよ。文字通り不可能。

これってけっこう絶望ですよね。若くて才能があって好奇心がたくさんあって、でも外の世界(外国)をみることは決してできない。テレビで見ることはできても体験することはできない。逆に外の世界(外国)からはたくさんの人が来るのに。

 

貧しい国の貧しい家に生まれると、人生に選択肢がない。家の仕事を継ぐ以外の選択肢がない。それでも仕事があるだけ幸せなんだぞ、みたいな。まともな教育も受けられないのでもし他の選択肢があってもそれに気づかない。

選択肢はなくとも幸せに暮らせていればそれでいい(選択肢が多すぎてしんどい時もあるし)のですが、外の世界を見たい!と思い焦がれてしまったらそれはもうキツイでしょう。マトモでない危険な手段でもなければまず不可能でしょうから。

 

我が身にひるがえって考えてみると、なんとも恵まれているよなあと思わざるをえません。行こうと思えばどこへでも行けますからね。極端な話、今すぐ空港に行って飛行機乗って外国に行くことだってできますもん。

誤解の無いように書いておくと、貧しい国に生まれたから不幸せって思ってるわけではありません。明日のごはんを買うお金もないのに物凄く楽しそうに暮らしている人達だっていましたからね。アイツらなんであんなに楽しそうなんだ!見習いたい。

ただ、自分が何かをどうしてもやりたい!っていう時に色んな道を選択できる、っていうのが、それだけでとんでもなく幸せなんだなあって思うんですよ。自分の意思で主体的に人生を作っていけるというか。

だからこそ周りの人間や世間とかいう実体の無いものがなんと言おうとも、やりたいことやっていきたいなあと思うわけです。せっかく現代の日本に生まれたんですからね。少しでもやりたい!と思ったことはやっておきたい。

 

どのみち最後は死ぬんですからね。

ああ嫌だ。死にたくない。絶対死にたくない。でも死ぬんだよなあ。

……最後は必ず死ぬっていう現実を認めてやりたいこといっぱいやってから死にたいもんです。