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ガンビアの政変が終了。流れをまとめてみた。23年も大統領を続けるって、どんな気持ちなんだろ?

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ガンビアの政変がようやく終わりを迎えている。血を見ることが無かったのがなによりだ。

これまでの流れをまとめてみよう。

 

●23年間ガンビア大統領を続けていたジャメ氏が選挙で敗れる(2016年12月1日)

●選挙の8日後に、ジャメ氏「不正があったから選挙結果は認めない!」と首都に軍隊を配備。大統領で居続ける

●緊張感が高まり不穏な雰囲気。数万人のガンビア人や旅行者が国外へ逃げ出す

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が軍事介入

●ジャメ大統領が降伏。大統領を辞す。ギニアを経由し赤道ギニアに亡命

●国庫がほとんど空。十数億円以上のカネが消えてるぞ! 

 

こういった流れになっている。

 

ガンビアは西アフリカにある国で、アフリカ大陸でも最小の国土を持つ小さい国だ。その国土の全てが隣国セネガルに囲まれている。

1965年に独立した国で、それ以来、大統領は二人のみ。今回の選挙で選ばれたアダマ・バロウ氏がこのまま三人目のガンビア大統領になるのだろう。

 

ちなみに一人目はダウダ・ジャワラ大統領で、独立前の1962年~1970年の8年間首相を務め、1970年~1994年の24年間大統領を務めている。そして二人目が渦中の人であるヤヤ・ジャメ大統領で、1994年~2017年の23年間大統領を務めていた。

1年未満で総理大臣が交代することもある日本と比べると、信じられないくらい長く感じる。アメリカの大統領も1期4年、最高でも2期8年だ。20年以上も最高権力者を続けるなんてことは有り得ない。そう考えると、ガンビア大統領がいかに長く大統領で居続けたのかが分かる。まあ、独裁者だよな。

 

このジャメ大統領、一度は自分が負けたという選挙結果を受け入れていたのに、8日後にやっぱ認められん!と意見を翻した。一体この期間に何があったのだろう。

 

ジャメ大統領には多くの批判がある。

・敵対していた人間を拷問・監禁・殺害していた

報道の自由言論の自由を弾圧していた

・同性愛者を「害虫」呼ばわりして弾圧していた

・科学的根拠のない「画期的なエイズ治療薬」を発表し、患者に抗ウィルス薬の服用を止めさせ、この治療薬を使わせていた

・「叔母の死は魔術のせいだ!」というジャメ大統領の号令で「魔女狩り」が行われ、1000人以上のガンビア人女性が拉致され、少なくとも8人が亡くなった

 

こういった批判を見ていると、極悪非道で頭のおかしな人物のように思えてしまうが、その一方で

・女児の割礼(性器切断)や、女性の小児婚(18歳未満の婚姻)を禁止

・貧困の撲滅、貧しい人への医療提供といった慈善事業

 

こういった活動も行っていた。やはり人間は多面的だ。どんな人にも様々な面がある。一面だけを見ての判断はいけないと思わされる。

ジャメ大統領はガンビア軍の出身で、かつ厳格なムスリムだ。私たち日本人の一般的な価値観とは相容れない部分も多いのだろう。

 

とはいえ、やってきたことがやってきたことなだけに、敵が多い人物なのは間違いない。命も狙われていただろう。大統領を降りるとなると、途端に命の危険も増すに違いない。

実際ジャメ大統領はECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)と、在位中に行ったとされる犯罪行為への恩赦を要求していたという。そりゃそうだよな。じゃなきゃ大統領を辞めたとたん殺されかねないもの。

選挙で負けてから8日後に「不正があったから選挙結果は認めない」となるまでに、そいったことを認識したのかもしれない。人間誰でも死にたくない。

現実的に赤道ギニアに亡命できてるわけだから、その辺りの話もついていたのだろう。消え去った十数億のオカネも、そういった交渉やあれやこれやに使われているのかもしれない。うまくやったものだ。国庫のお金を持ってかれたガンビアの人たちには災難以外の何者でもないが……。

 

いつになるかは分からないが、すこし先の将来に西アフリカへ旅行するつもりでいる。なので、興味を持って色々と調べている。

ガンビアもこれから安定していってくれると、とても嬉しい。

西アフリカは部族の言葉を除くと、フランス語が公用語の国が多い。私は英語ならなんとかなるのだが、フランス語はからっきしだ。まったく言葉が通じないのは結構辛い。治安がよければ言葉が通じなくても問題ないのだが、西アフリカはなあ。

ガンビアやナイジェリア、ガーナあたりは英語が公用語なので、まだ旅行しやすそうに思える。是非行きたい。

シエラレオネも英語が通じるのだが、さすがにまだ早すぎる気もする。情勢が許すなら訪れてはみたいのだが。

 

色々と悪い想像をしていても、いざ行ってみると案外なんてことなかったりもするのだけれど、油断してるとあっさり死んだりするのも本当。

ちょっとした顔見知りの人が、西アフリカに訪れた後にマラリアで亡くなっていたこともあったからな。あれは本当に驚いた。そして、悲しい以前に実感がまったく無かった……。

西アフリカに行く時には、いろいろと十分に気をつけて行きたい。

リアルプリズンブレイク!? 逃げてる写真を自撮り投稿するのが現代的

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ブラジルの囚人数は世界第4位。60万人もの囚人がいて、刑務所の過密や頻繁に起こる暴動が社会問題になっている。

そんなブラジルの刑務所で、今月1日~2日にかけて大規模な暴動が起きた。アマゾン観光の拠点として有名な、マナウス市内の刑務所だ。60人100人近くの死者と186人の脱走者が出ている大事件で、ウィキペディアの項目(英語)まですでに作成されている。

暴動の原因は、麻薬密売をめぐるギャングの抗争のようだ。

 

この事件で大きく取り上げられている刑務所は、マナウスのAnisio Jobim jail。だが同時に、同じマナウスのAntonio Trindade jailでも脱走が行われていた。

ブライアン・ブレマー(Brayan Bremer)は、Antonio Trindade jailからの脱獄者の一人。強盗罪で服役中だった。

このブレマーさんとその脱獄仲間達が、逃げてる最中の写真をフェイスブックに投稿している。

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facebookに投稿された逃亡中の写真。

なんか楽しそうだが全員が囚人で逃亡中なんだよなあ。場所はアマゾンのジャングルの中かな?

これらの逃亡写真が話題になったせいか、本人のfacebookアカウントは削除された。しかしまだ、本人を装ういたずらアカウント(Brayan Bremer@fugitivodoanoとか)は生きており、この親指立ててサムズアップ写真のコラ画像が投稿されていたりする。

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言わずと知れた大人気海外ドラマ『プリズン・ブレイク』のパロディ。結構はまってて、あまり違和感がない。

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こちらは名作『ショーシャンクの空に』。名作になんてことしやがる。

右の男は左右反転してるのかな。タイトルはポルトガル語だろうか。

こういったコラージュ画像が他にもたくさん投稿されている。

 

このブレマーさん、服役中も刑務所内からfacebookを利用していたらしい。もちろん、この刑務所内でも囚人のインターネット利用は禁止されているのだが。それなのに、いったいどうやってネットしていたのだろう?

日本の漫画ではときどき、服役中の囚人が刑務所内で何不自由なく豪華な生活をしている場面を見かける。ジョジョ第5部のポルポや、バキのビスケット・オリバが有名どころだろう。

ああいう場面はあくまでフィクションであり、実際の刑務所は厳しく統制されている! ネットなんてできる訳がない! と思っていたのだが……。

差し入れ品にスマホを紛れ込ませ、それを使用してネットしていたとかだろうか? きっと何かしら方法があるのだろうなあ。

アマゾナス州会計検察局のルイ・マルセロ検事は、「刑務所内は完全に統制を失っている」と報告書に記した。刑務所内には様々な武器、携帯電話、脱出用トンネルがあることが確認されている。

関連ニュースでは上記のようなことも書かれていたので、この刑務所が特殊ってこともあったのだろう。ブラジルは囚人多すぎだし。

それにしても脱出用トンネルて。ショーシャンクじゃないんだから。統制失われすぎだろとツッコミたくなる。

 

いやいや、現実でもこういうことってあるんだなと驚かされた。事実は漫画より奇なり。

 

※参考記事

BBCBrazil prison escape: Fugitive posts selfies on the run

CNN: At least 56 killed in Brazil prison riot over drug turf, officials say

足柄、糸魚川、フィリピン、オーストラリア。自然の力は恐ろしい

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先週木曜(12月22日)の夜に、東京から大阪への夜行バスに乗った。ちょっと早いが里帰りだ。

当たり前かもしれないが、夜行バスといっても夜の間ずっと走り続けるのではなく、途中で何度かサービスエリアに停車する。

深夜3時ごろだったろうか? 静岡の足柄サービスエリアでバスが停車した。「風の音けっこうキツいな、眠いな、でもトイレは行っておこう」と外に出ようとすると、……キツいどころじゃあなかった。

物凄い雨風。ごうごうと風が吹き荒れていて、雨が横殴りに降りかかる。上からではなく横から雨が襲ってくる。傘をさしても濡れるしかない状態。

まだトイレは我慢できそうだったので、外に出るのはあきらめた。トイレまで歩くだけでも濡れ鼠になって、風邪をひいてしまいそうだったから。

実際、外に出ていた人達はびしょ濡れになっていた。寒そうで気の毒だ……。

 

私が東京を出発した22日の午前中に、あの糸魚川の大火が起こっていたと後で知った。場所は全然違うのだけれど、新潟県でも強風が吹いていて、そのせいで火が広がってしまったという。

風が吹くと、思ってもいないほど遠くまで火の粉が飛んでしまう。そしてどんどん火事が広がる。恐ろしい。今回の大火事も風さえなければこれほど酷くならなかったろうに。痛ましい。

 

また今現在でも、フィリピンは台風NOCK-TEN(ノックテン)に襲われている。

少なくとも4人が亡くなっており、せっかくのクリスマスにも、20万人以上が避難所に移動せざるを得なかったという。

クリスマスのような祝福の日に台風とはなあ。ひどい仕打ちだ。神様は意地が悪い。

 

さらに、エアーズロック(ウルル)で知られるオーストラリアのウルル・カタ・ジュタ国立公園も、大雨によって閉鎖が続いている。

エアーズロックは過去には転落死亡事故が発生していることもあり、気候・天候の条件によって入山が規制される。

気温が上がりすぎる、風が強くなりすぎる、強い雨がふる、といったことが予想されると、エアーズロックに登ることができなくなる。観光客の安全を考えれば妥当な措置だろう。

 

今現在も大雨による影響で閉鎖は続いているようだ。最新の情報はウルル・カタ・ジュタ国立公園の公式Facebookページ(英語)で確認できる。

エアーズロックを見に行く予定の人なら、チェックが必須だろう。

『一生の思い出に!』と、エアーズロックを見にオーストラリアまで行ったのに、閉鎖されていて近づくことさえできないなんて、悲しすぎる。

 

私もまだエアーズロックはこの目で見たことがない。今後10年以内には見に行くつもりなので、その時は天候を調べまくるか、たっぷりと時間をとって余裕をもって見に行きたい。

まあ、それだけ準備をしまくっても、悪天候でどうにもならなかったりもするのだけれど。結局最後は運次第なんだよな。人間は自然の前では無力だわホント。

No alcohol No life! ロシア人はお酒が大好き過ぎる

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ロシアの人達は本当にお酒が好きだ。大好きだ。以前別の記事でも書いたが、ずいぶん昔シベリア鉄道に乗った時、ロシアの軍人達にさんざんお酒を飲まされた。しかもウォッカだ。アルコール度数40度。ノドで味わう焼けつくようなお酒。

こんなきっついお酒を奴らはガンガン飲む。平気で飲む。飲みまくる。私はお酒に弱い。しかしそれを言っても信じてくれない。何を言っても「これくらい飲めるだろ?」とウォッカをガンガン勧めてくる。いや、マジでそんなに飲めないんですけど……。

 

お酒大好きなロシア人。そんな彼ららしいニュースが、海外のあちこちのニュースサイトで書きたてられている。たとえば下記はBBCの記事だ。

Russia bath lotion kills 33 drinkers in Irkutsk

書かれている内容をざっくりと要約すると、『ロシアのイルクーツクで、お酒の代わりに入浴剤を飲んだ33人が死んだ』という内容だ。(注:後のニュースでは死者58人にまで増えていた。こわい)

 

冒頭の写真はエッセンシャルオイルだが、似たようなものかな。今回飲用されたのは、サンザシの香りがするBoyaryshnikという液体入浴剤で、凍結防止等のためアルコール(メタノール)が含まれていた。

ウォッカのような普通のお酒よりも安く手に入るので、アルコールの代用品として飲む人が多かったようだ。さらに、ウォッカより美味く、ウォッカに比べて次の日に残らないからという理由で愛飲していた人もいたという。

ロシアの副首相の発表では、ロシアのアルコール飲用量の20%までが、薬物や香料で占められているという。

それだからか、今回のような中毒事件も、ロシアではそれほど珍しいことではないらしい。それでも33人もの人が亡くなるのは、なかなか類を見ないようだけれども……。

 

ロシアって、寒い国なんだよな。シベリアのオイミャコン村なんて、人が住んでいる場所では世界で最も寒いと言われている。冬(一年の半分以上が冬だが)は軒並み-50℃以下の気温で、-71.2℃という記録さえある。想像を絶する。私なんか0℃でも超寒い寒い言ってるのに。

今回の中毒事件が起きたイルクーツクも、今週は最低気温が-26℃、最高気温が-8℃なんていう状況。寒すぎる。

寒いときには身体を暖めたくなるのが人間なので、お酒で身体を暖めるのも当然といえば当然。私だって冬はお酒の消費量が増える(1日1~2缶だけど)。

ロシアはインフレ続きで物の値段が上がり続けているし、『少しでも安く度数の高いお酒を買いたい!』という人も多いだろう。それが今回のような中毒事件につながってしまったのかもなあ。悲しい。寒い地域はきついよ。

国民総ボったくりだったベトナム

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ベトナムのレストラン。フエの町。ここではボったくられなかった。

 

私がベトナムに訪れたのは、人生で1度きりだ。周辺国のタイ、カンボジアラオスは何度も行っているのだが、ベトナムだけは1度しか訪れたことがない。

以前に記事を書いたが、ベトナムの中ではホイアンがいちばん好き。あのゆったりとした落ちつく雰囲気に、たまらなく癒される。世界遺産で観光地なので観光客がわんさか居るのが玉にキズ。まあ自分自身も観光客だから、人のことは言えないが。

 

そんなベトナムに私が訪れたのは随分と前(2004年)だ。なので、今はもう全然そんなことはないのかもしれない。

しかしその当時ベトナムの人達がほとんど皆、ナチュラルにボったくってきた事は鮮明に覚えている。

それほど法外なボったくりはなかったのだが、食堂や商店、タクシーやバスの料金と、どこで何を買うにしてもその都度ボったくろうとしてきた。数十円~数百円くらい。

 

ベトナムに入国して最初のうちは相場があまり分かっていなかったので、それなりにボったくられていたと思う。

だんだんと相場が分かってくると、「いやいやそれボったくってるだろ、普通このくらいの値段だろう」と交渉ができるようになってきた。

相手もわかっているので、大抵の人は少し話せばすぐに適正な値段か、ほんの少し高めの値段でモノを売ってくれた。

地元の人とまったく同じ値段で買うのは、なかなか難しいものだ。相場も完全には分かっていないし、言葉もロクに話せないのだから。

 

中には何をどういってもボったくってくる輩もいた。特に、他に選択肢がないときはやはり足元を見てくる。本数の少ないバスに乗ったときなどに、そういうことがあった。

地元の人達の倍以上もの値段をふっかけてきて、払わないならバスから降りろ、みたいな。なんとか交渉して少しは値段を下げることはできたが、かなり割高な料金を払わされたりもした。悔しい。自分の交渉力の無さが悲しい。

 

ごく普通の食堂でラーメン(インスタント麺)を食べて、優しそうなおばあちゃんにお勘定を頼んだ時でさえ、笑顔で自然にボったくってきたりする。ちょっと言ったらすぐに値段は下がった。おばあちゃんに悪気はまったく無さそうだった。

食堂で出されたおしぼりを使ったら、おしぼり料金を取られたりもした。……これはボったくりとは違うな。日本での常識とは違うだけだ。

 

もうボったくりもここまでくると、一種の文化だといえるのではないか。

それに、最初はちょっと戸惑ったが、慣れてきてからは楽しめるようにもなってきた。楽しく交渉するのもいい経験になった。日本ではなかなかお店で交渉とかしないからなあ。

毎回毎回交渉しなけりゃならないのがちょっと疲れるが……。

 

そんなボったくりの国ベトナムだけれど、私はけっこう好きなのだ。ごはんは美味しかったし(フォーを食べまくった)、ホイアンとかフエのような歴史的な町、ハロン湾のような雄大な自然など、見るところもいっぱいある。ボったくってはくるが、人も悪くはない。

いやもしかすると、今のベトナムはもう、ボったくりなど全く無くなっていたりするのだろうか。もしそうなら、それはそれで少し寂しい気もする。いや、決してボられたくはないんだけれどね。皆が皆ボったくってくるっていうのもなんだか面白かったので……。

ベトナム、また行きたいなあ。遠い国ではないから行くのは難しくないんだけど、なかなかチャンスがね。でも、生きているうちにもう1回は行こう!

人が多くてモノが高い。世界のどこでも都会は同じ

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今現在、私は東京に住んでいる。住み始めてもうすぐ2年がたつ。

日本は物価が高いとよく言われるが、前の記事にも書いたように、私はそこまで日本の物価が高いとは思わない。しかし、その『日本の物価』が東京の中心部を基準にしているのなら、高いと言われても仕方が無い。それは東京に住んでいるとよく分かる。

 

特に東京23区の賃貸相場は異常だ。高い。高すぎる。

私は東京以外に大阪府、愛知県、滋賀県にも部屋を借りてしばらく住んでいた。

大阪や愛知や滋賀なら、少し駅から離れた不便な場所や、中心街から離れた場所を選べば、部屋の相場はかなり安くなる。

具体的な金額を言うと、一人暮らし用のワンルームならたいてい3万円以下で見つけられる。2万円前後でも見つかったりする。

 

もちろん、場所によって相場に差はある。たとえば大阪なら心斎橋や梅田の近くになると、相場は高くなる。試しにSUUMOで心斎橋の相場を調べてみると、一番安いところで35,000円(管理費込み)。ライオンズマンション。

あれ? 思っていたより安い。広さも20平米近くあるし、バストイレも付いていて十分にキレイだ。さすが大阪。大好きだ。

 

これが東京になると相場は跳ね上がる。同じようにSUUMOで銀座周辺を調べると、安くて7万円から。

比較対象に銀座を出すのはさすがに不公平か。上野周辺を調べてみよう。……2万円!? と思ったら、部屋の広さが5.7平米シェアハウスだった。シェアハウスにしても安いなあ。女性用だけれど。安くてキレイなシェアハウスは女性専用が多い印象がある。

上野周辺でふつうのワンルームなら、51,000円からあった。さすがに銀座よりは安い。

 

銀座周辺が高いのは当然にしても、東京って23区内ほぼ全域が高いのがきつい。

足立区や練馬区になると大分安くなるし、西へ西へと八王子まで行けば相当安いのだが、通勤がしんどくなる。いくら安くても、通勤に何時間もかけるのは貴重な時間がもったいない。

東京は仕事が多くて給与水準も高いけれど、物価の高さや通勤に費やす時間を考えると実質的な実入りはあまり変わらない、というか少ない気さえしてくる。もっともそれは私のような庶民の話で、高給取りの方には関係のない話なのだろうけど。

 

さて、ここまで東京が高い高いと書いてきたが、都会の中心部が物価高になるのは世界共通の話だ。

中国の上海、タイのバンコクラオスのヴィエンチャン、インドのムンバイ、フランスのパリ、イギリスのロンドン、南アフリカヨハネスブルグ、アメリカのロサンゼルス、ブラジルのリオデジャネイロ……。

その国で一二を争う大都会(首都とは限らない)は、やはりどこも物価が高く人が多い。残念ながら、世界のどこにいっても同じだった。

どこも同じ構造になっているのだろう。需要と供給。

仕事やチャンスがたくさんあるから、たくさんの人が集まる。いくらモノが高くとも住みたい人がたくさんいるから、際限なく高くなる。

 

どうも私はたくさんの人がいる場所が好きではないようで、大都会がちょっと苦手だ。

都会には面白いことはたくさんあるし、魅力的なのは分かるのだけれど、長く居ると疲れてしまう。人の少ない山中でのんびりしている方が、心が落ち着く。

旅行中は飛行機のルートがたいてい大都会を通るから、嫌でも通らざるを得ないのだが、都会にはそれほど長くは滞在しない。人に関しても、地方のほうがあたたかい人が多くて、都会の人はちょっと冷たいような気がする(ヨハネスブルグは最悪だった)。

 

……なんで私、東京に住んでるんだろ?